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香港版iPhone GSMモデルはauで使えるか!?

日本でもSIMフリー端末がアップルストアから発売されるようになり、また各通信会社(docomo, au, SoftBank)もSIMロック解除に対応するようになったため、数年前まで主流であった香港からの端末輸入は徐々に少なくなってきています。しかし、それでも日本で購入した端末はシャッター音が鳴るということから、シャッター音の無音化のためだけに香港版を入手する人たちは少なからず存在します。docomo回線、SoftBank回線では問題は無いのですが、通信規格の異なるauを使っているユーザーは香港版のiPhoneを使うことができるのでしょうか?徹底的に検証しました。

結論から言うと、“香港版GSM iPhoneでもau回線で実用に耐えうるほどまで来ています”

では詳しく見ていきましょう。

auの通信規格について

3G(第三世代)通信

auは3G(第三世代)通信まではCDMA2000という世界的にはマイナーな通信規格を使っていました。CDMA 2000はほかの多くの通信会社が採用しているW-CDMAと互換性は無く、通信を行うためにはそれぞれのモデムを内蔵している必要があります。

またCDMA2000は世界的にマイナーな規格(採用していたのはアメリカのVerizon Wirelessや中国の中国電信など)でしたので、対応する端末を入手することが難しく、通常はキャリアから入手するしかありませんでした。2018年現在でも、CDMA2000に対応したSIMフリー端末は米AppleのiPhoneやNexusなど限られた端末のみになっています。

4G - LET (第四世代)通信

3G(第三世代)とは異なり、4GではauもLTE規格を採用しました。LTE規格にも複数規格がありますが、auはメジャーなFD-LTEを採用することになりました。日本国内ではauのほかdocomo、SoftBankなど主要通信キャリアはFD-LTEを採用しています。反対にTD-LTEは途上国(中国やインドなど)では主流の第四世代通信となっており、グローバル規格はTD-LTEとFD-LTEとに二分されることになりました。

その結果、端末に関してもTD-LTEに対応している端末、FD-LTEに対応している端末とでそれぞれ発売されています。両方に対応している端末もありますが、多くの場合FD-LTEのみのものが多いです。

FD-LTEの場合、周波数帯がキャリアによっていくつにも分かれていますが、グローバル端末の場合複数の周波数帯に対応している場合がほとんどです。

LTEは4G(第四世代)通信として、2012年から本格的に運用が始まり、徐々に3Gと入れ替わっています。では現在、auのLTEはどの程度実用性があるのでしょうか?

au、LTEの実用性

今まではau = CDMA 2000という公式が成り立っていたため、auでSIMフリー端末を使うには、iPhoneぐらいしか選択肢がありませんでした。しかし、auは日本のキャリアの中でも最もLTEに力を入れているキャリアです。CDMA 2000は通信こそ安定していたものの、世界的にはマイナーな規格のため、auは端末の品揃えに苦労してきました。グローバル端末と呼ばれる、iPhoneもGSm版とCDMA版が存在し、auで使うためにはCMDA版を使う必要がありました。そんな3Gで出遅れたauは巻き返すため、4G、LTEでは他社よりも回線の普及へ力を入れています。2012年にサービスを開始したauのLTEサービスは現在では、LTEは3G(CDMA 2000)と遜色ないレベルまで来ています。

実際に、auのエリアマップで比較してみると、LTE対応エリア(800Mhz)は3G対応エリアに迫っており、実用レベルでは3Gと大差無いところまで来ています。山間部で確認はしていないので、なんとも言えないませんが、少なくとも都市部での利用に関して言えば、LTEのみであっても実用に耐えられるレベルに来ています。

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3G (CDMA)対応エリア

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4G (LTE)対応エリア

加えて、auはCDMAの難点であった音声通信とデータ通信の同時利用がLTEにおいて可能になりました。他社では、VoLTE対応といえども、3Gとの併用をしているキャリアが多いですがauに関しては、3G非対応のLTE端末を出すなど、その本気度が伺えます。そのためか、他社では未だに3G回線を利用している、MMSやSMSがauではLTEで利用可能です。

これらのことから、実用レベルでは、LTEのみであっても、auは問題なく使えます。では、香港版iPhoneはauで使えるのでしょうか?

香港版iPhoneが対応している通信規格

香港版iPhoneの主な入手先はExpansysを経由した個人輸入です。Expansysは2012年頃からサービスを開始し、今では香港端末の主要入手先となっています。

2018年現在、Expansys経由で入手可能なiPhoneは下記の通りとなっています。

  • iPhone SE A1723 (間もなく在庫切れになるかと思われる) (GSMモデル)
  • iPhone 8 A1863 (GSMモデル)
  • iPhone 8 Plus A1864 (GSMモデル)
  • iPhone XS A1920 (GSMモデル)
  • iPhone XS Max A2104 ※中国モデル
  • iPhone XR A2108

なお、日本で発売されているモデルは、

  • iPhone SE A1902
  • iPhone 8 A1863 (CDMAモデル)
  • iPhone 8 Plus A1864 (CDMAモデル)
  • iPhone XS A1920 (CDMAモデル)
  • iPhone XS Max A1921 (CDMAモデル)
  • iPhone XR A2106 (CDMAモデル)

となっています。同じモデル番号でも、香港で発売されているモデルはGSMモデル、日本で発売されているモデルはCDMAモデルなので注意が必要です。

SIMフリーiPhoneのauでの利用について

では香港版iPhoneをauで使うことはできるのでしょうか?使う際に注意点は無いのでしょうか?

結論から言うと、前述したようにauのLTEエリアはどんどん広がっており、お住まいの地域がLTE対応エリアであれば使うことができます。モデルナンバーが同じですので、対応しているLTEバンドは基本的に同じになっています。

ただし、CDMA、つまり3G通信で使うことはできませんのでその点は心にとめておきましょう。

もちろん前述したように、VoLTEを使って音声通話も利用可能できます。以前、ASCIIさんの記事で、香港版iPhone はau SIMでアクティベーションできるものの、通信は不可との記事がありました。実際に、筆者も香港版iPhoneを購入するときは怖かったですが、結論から言うと問題なく使えます。もちろん、CDMAは使えませんが。。。今後ソフトウェアのアップデートなどで非対応になる可能性はあるものの、端末としてはauのLTE回線で十分利用可能です。2018年9月現在、iOS 12 上では問題なくLTEが利用できています。

香港版 GSM iPhone をauで使う際の注意点

香港版GSM iPhone をau で使うにあたり注意点は無いのでしょうか?

基本的には問題なく使えますが、バックアップの復元などをすると圏外病になるケースが見られます。そのような場合は初期化をして使うか、下の記事を参考にしてみてください。

iPhoneが圏外病になった!治療方法は?

その他の端末のau利用について

huawei-p8-1106911_640日本のApple StoreでSIMフリー端末が発売されるようになってから、はや8年弱。MVNOの普及も手伝って、日本でもSIMフリー端末が徐々に浸透してきました。auユーザはそんな社会の流れから取り残されているかと思いましたが、そんなことはありません。むしろ、最先端を行っているのがauなのです。こちらの記事では、iPhone を中心に書きましたが、auのLTE(Band 1, 11, 18 &28)に対応しており、かつVoLTEが使える端末であれば、もう今までのようにCDMAに対応しているかは気にする必要がなくなりました。端末によってauのLTE回線と相性が悪いものもあるようですが、少し知識に自信があり、試してみたいという方は挑戦してみるのも良いかもしれません。

余談ですが、iPhone購入の下調べをしていた際、香港版iPhoneはCDMA版との記事を見つけましたが、私のiPhoneはCDMA非対応でした。iPhone 5Sは途中からCDMA版になったとの話もあるので、もしかしたら当たり外れや、購入時期によって違うのかもしれません。ただ、基本的にはGSM版として認識しておいたほうが良いでしょう。CDMAに期待するのであれば、やはり正規ルート(Apple Store)で購入するようにしましょう。

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