今や、Windows 8.1やSurfaceの普及のおかげでMicrosoft Office Online を利用しているユーザーも徐々に増えてきている。しかし、未だにOSのシェアでは、Windows 7が大きな比率を占めており、Office Online というサービスの存在すら知らない人も多いのではないだろうか。
Microsoft Office Online はMicrosoftが無料で提供するクラウドサービスの一つで、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteといったMicrosoftのOfficeソフトをオンライン上で無料で利用できるサービスである。オフライン版よりも多少機能は劣るものの、一般的な用途には問題なく使うことができる。使用するには、Microsoft アカウントが必要だ。アカウントは無料で作ることができる。
使い方は簡単で、サインインしたら、右上をクリックすると、メールサービスのOutlook.com、アドレス帳のPeople、スケジュール管理のカレンダー、オンラインドライブのOneDrive、Officeソフトのメニューが表示される。自分の作業に合わせたソフトを選ぶといい。
Officeソフトを選ぶと、空白の文章を作成、テンプレートを参照、最近使用したドキュメントを選ぶメニューが表示される。新規に作成する場合は「空白の文章」もしくは、「テンプレートを参照」を選んで作っていく。
オンライン上で作成したファイルは自動的に、オンラインストレージOneDrive上に保存される。もちろんファイルをダウンロードすることも可能だ。数分おきに自動的に保存されているので、間違って閉じてしまってもある程度復元することが可能である。また、バックアップが自動で行われているため、以前のファイルに復元することも可能である。
復元するには、オンライン上でOneDriveを開き、復元したいファイルを選択→ウィンドウ上部のメニューから「管理」を選択→「バージョン履歴」をクリック。すると、左側に復元可能なバージョンのリストが表示される。それらをクリックし、内容を確認したら、復元ボタンをクリックして、復元の完了である。
パソコンを持っている人の中で、どれだけの人が定期的にバックアップを取っているだろうか。間違ってファイルを削除してしまった場合には、ファイル復元ソフトを使うことが出来るが、それよりも困難なのが、真っ白にしてしまったファイルを上書き保存してしまった場合である。そのような場合、バックアップを取っていなかったら復元はかなり難しい。しかし、Office Online では自動的にバックアップを取ってくれるので、万が一、真っ白に上書き保存してしまっても復元することが可能である。
とは言っても、常にブラウザを開いて、オンライン上で作業するのは面倒だし、無料とはいえ、機能が限られているので不便である。そんなときは、OneDriveを併用すると良い。OneDriveはWindows Vista、Windows 7、Windows 8、Mac OS X 10.7以降に対応している。OneDriveのクライアント向けソフトをインストールすれば、ローカルドライブのように使用することができる。ネットワーク環境があれば、自動的に同期も行ってくれる。さらに、クライアントで作業しても、きちんと自動でバックアップを取ってくれるので、安心である。
提供容量は無料で7GBとあまり大きくはないが、一般的な用途には十分な容量だろう。USBを持ち歩くよりも便利で安心である。
このOneDriveとOffice Online、特におすすめしたいのが重要な書類を書いている人である。その中でも、卒業論文などを書いている人には是非おすすめしたい。卒業論文などとなると、ページ数も数十ページから、数百ページまでのぼる人もいるだろう。そのような重要なデータがUSBやローカルで作業していると、ちょっとしたことでうっかり上書き保存してしまったり、何かの拍子に消えてしまうこともある。そんなときでも、OneDrive上で作業をしていれば、データが復元できる。
今まで、クラウドサービスを利用したことない人でも是非この機会に使ってみるといいだろう。