こんにちは。アメンボです。この記事は教育用CMS、Moodleを使ってみたいけれどインストール方法が分からないという方向けの内容になっています。
教育機関や企業などの研修でMoodleを使ったe-ラーニングを考えているけれど、インストール方法が難しいと思って躊躇していませんか?実はMoodleのインストールは想像しているよりはるかに簡単です。
私自身、教育関係の仕事をしており、Moodleを使いたい、使いたいとは思っていたものの、インストールが複雑そうだなと、ずっと躊躇していましたが、実際に行動してい見ると、非常に簡単でしたので、インストール方法を記事にしました。なお、ここでは2020年1月時点で最新のMoodle 3.8をもとに説明していますが、その他のバージョンでもおおよそ手順は同じです。またここでの説明はXサーバをもとに解説していますが、その他のサーバでもおおよそ流れは同じです。
なお、ここではレンタルサーバを使ったインストールについて解説しています。ご自身で用意されたサーバへインストールする場合は、Windows serverについてはこちらの記事で解説していますので確認してみてください。
Moodleインストールの準備
Moodleをインストールするためには、Moodleを運用するためのサーバ契約、そしてMoodleのインストーラをアップロードするためのFTPクライアントが必要となります。
Moodleインストールに必要な情報
MoodleのインストールにはFTP情報に加え、データベースの情報が必要となります。データベースについては、作成の箇所で再度説明しますが、下記情報が必要となるということを頭に入れておいてください。
- FTPアドレス
- FTPログインユーザ名
- FTPパスワード
- データベースURL(サーバによってはLocalhostで代用可能)
- データベース名
- データベースユーザ名
- データベースパスワード
Xサーバの場合、FTP情報は契約時にメールで送信されてきますので受信フォルダを確認しメモしておきましょう。データベースについては、「サーバパネル」→「MySQL設定」で確認できます。パスワードはご自身で設定しましょう。
Moodleが使えるサーバ
Moodleをインストールするためには、Moodleを運用するためのサーバ契約が必要となります。Moodleの必要要件は、Apache、MySQL、およびPHPが動作するサーバであれば基本的にインストール可能です。MySQLは5.1.33以上推奨、PHPは7.1以上が推奨となっています。技術的なことが分からないという方は、Moodleを使用できるサーバをリストアップしておきましたので、心配な方はこちらのリストからサーバを契約すると間違いがないでしょう。
サーバ | 価格 | 備考 |
GMOクラウドiCLUSTA+ | 900円/月から | 最もおすすめ |
Xサーバ | 1000円/月から | |
ロリポップ | 500円/月から | 最も安い |
さらなるサーバの動作検証については、別記事で紹介していますので合わせてご参照ください。
FTPクライアントの準備
FTPクライアントとは、サーバ上にファイルをアップロードする際に必要となるソフトです。有名なものではFFFTPやFilezillaなどがあります。どれも基本的な使い方は同じですので、使いやすいものをお選びください。ここでは、FFFTPを使った手順を説明します。
Moodleをインストールするための手
さて、準備が整ったらさっそくインストール作業に入っていきましょう。具体的な手順としては下記の通りとなります。
- データベース(MySQL)の作成
- Moodleプログラムのダウンロード
- Moodleをサーバへアップロード
- Moodleを解凍※
- 専用画面の指示に従い、必要情報の入力
- インストーラの削除(ZIPファイルの削除)
※MoodleはインストーラがZIPで圧縮されています。通常の流れでは解凍してから、アップロードという手順ですが、ファイル数が多すぎるためアップロードに半日ぐらいかかってしまいます。快適なインストールのためにもファイルの解凍はサーバ上で行うことをお勧めします。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
データベース(MySQL)の作成
Moodleの動作に必要なのはデータベース(MySQL)です。MySQLのほか、PostgreSQL、MSSQLなども対応しています。データベース作成の要領はご契約のサーバにより異なります。ここではXサーバをもとに解説していきます。
サーバパネルへログインし、「データベース」→「MySQL設定」を開きます。
「MySQL追加」をクリックしてください。
MySQLデータベース名を決めます。契約ID_+名前となります。例えば、契約IDがabc、データベースをmoodleとした場合、データベース名は「abc_moodle」となります。
文字コードはUTF-8を選択してください。
確認画面が表示されるので、「追加する」ボタンをクリックします。
次に、Moodle用のデータベースユーザを作成します。
「MySQLユーザ追加」ボタンをクリックしてください。
MySQLユーザIDを決め、パスワードを設定しましょう。
ユーザの作成が完了したら、先ほど作成したデータベースへユーザがアクセスできるようアクセス権の設定をします。
「MySQL一覧」へ戻り、データベースの中から「アクセス権未所有ユーザ」から先ほど追加したユーザを選択し、「追加」をクリックしてください。
Moodleプログラムのダウンロード
データベースを作成したら、Moodleプログラムのダウンロードをしましょう。
Moodleのダウンロード
基本的に最新版のダウンロードで問題ありません。ご契約のサーバが古い場合などは、必要に応じ古いバージョンをダウンロードしてお使いください。
Moodle X.X + と書かれているものと、Moodle X.X がありますが、OfficialのZIPファイルのほうをダウンロードしてください。
Moodleをサーバへアップロード
Moodleのダウンロードが終わったら、サーバへアップロードしましょう。ここでFTPクライアントが必要になります。
必要となる情報は、
- FTPアドレス
- FTPログインユーザ名
- FTPパスワード
です。お使いのレンタルサーバへログインし、メモを取ってください。サーバによってはメールで情報が送信されている場合もあります。
Public_html内へアップロードしてください。
解凍の準備
アップロードしたZIPを解凍するには、PHPが必要となります。unzip.phpというファイルを作成して下さい。作成はメモ帳などで十分です。
Unzip.phpの内容は下記をコピーペーストしてください。Moodleの情報については、バージョンや必要に応じ適宜変更してください。
アップロードしたZIPファイルを解凍していきましょう。解凍にはphpが必要となります。Unzip.phpというファイルをアップロードしたファイルと同じ場所に作成しましょう。
次に、PHPの内容を下記の通り作成してください。
<?php
$zip = new ZipArchive();
if ($zip->open('./moodle.zip') === true) {
if ($zip->extractTo('./') === true) {
$zip->close();
} else {
exit('extract error.');
}
} else {
exit('open error.');
}
echo 'complete';
?>
作成後、URLへアクセスし、zip complete と表示されれば完成です。
例:abc.comへアップロードした場合、abc.com/unzip.phpへアクセスします。
FFFTPでアクセスし、ファイルが解凍されていることを確認しましょう。
専用画面の指示に従い、必要情報の入力
ファイルがしっかりと解凍できたら、Moodleの設定へと入っていきます。URLへアクセスし、データベース情報、を入力しインストール作業を行いましょう。
abc.comの場合、abc.com/moodle/install.phpがインストールURLとなります。
インストーラの削除(ZIPファイルの削除)
最後に、インストーラZIPと解凍用PHPの削除をしましょう。残しておいても問題はないですが、サーバの負担になりますので削除することをお勧めします。